First Report of bitWarpPDA

UPDATE 2003-12-30 08:46 JST
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 2003年11月19日にSo-netがPDA限定利用でのPHS定額サービス「bitWarpPDA」を受け付けを開始し,11月27日に初の対応機種となるZaurus SL-C860が発売されたことによりサービスが開始された.このサービスは利用機器によってデータ通信量が異なることに注目し,パソコンよりデータ通信量が小さいと思われる機器を認証により限定することで通信費を低くできるというものである.認証機能に対応した機種を持っており,そのデバイスでのみ通信するという条件がそろう人であれば是非検討すべきサービスである.

  1. 概要
  2. 申し込み&サービス開始
  3. 使い心地
  4. まとめ

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概要

主な定額PHSサービス料金比較
サービス名 コース名 通信方式 料金 備考
bitWarp bitWarpPDA 128kパケット 2,000円/月 ※認証機能に対応したPDAのみ利用可能
※一部のウェブ画像のデータ圧縮機能
AirH" つなぎ放題 32kパケット 6,100(5,230)円/月 ※ISPはIIJmioを利用
※()内は年間契約を利用
※さらにA&B割という割引サービスがある
つなぎ放題+オプション128 128kパケット 9,600(8,730)円/月
@FreeD 月払い 64kPIAFS 4,880円/月 ※ISPはmoperaを利用
年払い 4,000円/月
SL-C860の買替モデルケースWalrus,Visit.
データ通信サービス比較 2003年4月版AirH"完全マニュアル

申し込み&サービス開始

 申し込みは1. ウェブ上からもしくは2. 専用の申し込み葉書からとなる.現状では店頭などでは加入できない.また,認証機能に対応した機器には専用の申し込み葉書がついてくるが,これらのものを使っても割引などの特典はないので,ウェブ上から申し込むのが楽であると思う.ちなみに,どちらで申し込んでもクレジットカードが必要であるので,持っていない人はSo-netカードを作って利用すれば,月額利用料が5%割引されるので検討してみてもいいかもしれない.Edyがついているのでちょっとほしいとか思ったのはどうでもいいことだが(w 学割などの割引は対象ではないのも書いておいたほうがいいのかな!?

 私はウェブ上から申し込んだが,住居が都内ということもあり2営業日で届いた.封筒とカード端末の箱がSo-netの包装で届いた.朝方申し込めばその日のうちにカードが送付されるよう手配されるようで,このすばやさはかなり評価できるところではある.某地方在住の人は私より1日ほど日数がかかったようである.

 封筒の中にはユーザー名やパスワードが書かれたものやSo-netの利用マニュアル,おたすけCDなどが入っており,荷物のほうには専用カード端末である「VN-201」が入っている.ただし,どちらにも「bitWarpPDA」についてのマニュアルなどはなく,「bitWarpPDA」では使えないWindows用のものだったりして,いまいちまだきちんとした専用のパッケージとはなっていないようである.一応,bitWarpPDA用のアクセスポイントと対応機種が書かれた紙が一枚入っていたけど... 初心者にはどうかなとは思いつつ,対応機種であるZaurus SL-C860にはbitWarpPDAの設定がデフォルトで入っているし,ある程度SL-Zaurusをわかっている人であればわかるだろうなという感じもした.もちろん,SL-Zaurusのほうにネットワーク設定の説明があるし,大丈夫なのかもしれないけどちょっと不親切ではある.まだ,はじまったばかりのサービスだし仕方のないところだろう.
[IMG] 荷物 [IMG] パッケージ中身

 専用カード端末である「VN-201」とAirH"端末である「AH-N401C」を並べてみた.基本的には同じNECインフロンティア製のOEMであり,AirH"のロゴの部分がfor So-netになっているのがちょっとかっこわるいなという感じがする.So-netだけでいいのになと(w また,MVNO向けであるため「WIPS」ロゴが見える.よって,この端末をAirH"契約はできないし,AH-N401Cを持っている人もbitWarpにする場合は,この専用端末を購入しなければならないことになる.もちろん,今後にDDIポケットがWIPSに対応すれば別なんだろうが... また,AH-N401Cと同様にプラスチックのケースやPCカードアダプタが付属しているし,アンテナも取り外し可能となっている.
[IMG] AH-N401C&VN-201 [IMG] VN-201 WIPS [IMG] VN-201&SL-Zaurus
 

コマンド 結果 説明
at@k20 XXXXXXXXXXXX,34 電界強度とCSIDを20個まで表示することができる.at@kでは3つ表示される.at@k*にて*に1〜20までの数字をいれると表示最大値がその数字となる.はじめの12桁の数字は基地局IDで,次に表示されている数字が電界強度値である.これらの表示が捕まえられる基地局(アンテナ)の数に応じて20個まで表示できる.
at@@lvl 05
5
5
5
5
3
メンテナンスコマンドで,通信できる基地局を13個まですべて表示される(5段階のアンテナ強度つき).最初の行に捕まえられる基地局(アンテナ)の個数が表示され,次の行から一行ずつその捕まえたられるアンテナとの感度が5段階表示で表示されている.
at@@lnk 4 空いている基地局数を4個まで(0〜4)が表示される.
ati1 OK 使えるかどうかが表示される.
ati2 PHS モデムとしての種類が表示される.
ati3 NEC Infrontia corporation メーカーが表示される.
ati4 VN-201 機種名が表示される.
ati5 1.50 ファームバージョンが表示される.
ati6 070******** 電話番号が表示される.

使い心地

 正直,AirH"128kと回線自体は同じなので使ったことのある人ならそれを考えてもらえばいいと思う.ただし,ウェブについては画像圧縮機能がついてしまい,この機能によりかなりレスポンスが悪いということが起きていた.この圧縮機能は評判が悪かったのか,あるときから機能の設定が変更もしくは解除されたままになっている.また,これから圧縮機能自体は最適化が行われて快適になる可能性もある.現状の状態では,グローバルIPが割り振られているし,ほとんどAirH"128kパケット通信と同じもののように感じている.一応,SL-Zaurusで測定できる速度測定サイトにより速度を測ったみた.サイトには,BNRスピードテスト画像版を利用した.Zaurus自体の処理速度がパソコンよりもやや遅いためか,50kbps程度という多少遅いものとなった.同じ場所でSL-Zaurus+AirH"128kで利用しても60kbps程度となり,パソコン+AirH"128kで測定すると80kbps程度となることからどちらかというと回線速度よりもSL-Zaurusの処理速度の影響もあるようである.

 情報源がないので推測の域を出ないが,現在の状態の個人的な印象としては画像圧縮がはずされただけのように思う.いまだにNetfrontでウェブブラウズをしていると,特定のサイトでTCP読み込みエラーが出たりもするし,なにかやっているような感じはする.まぁ,画像を圧縮転送していたころのようなレスポンスの悪さはない.ただし,夜の時間帯などはユーザーが急激に増えたことにより,やや速度が遅くなるといったことが見られる.こういったところはそのうち改善されていくだろうから問題はないと思っている.AirH"の初期の頃にはよくあったことだし(w

 圧縮機能についても1週間くらいしか使えなかったが,そのときの印象を書いておく.といっても,画像が圧縮されていたこととレスポンスが非常に悪かったというくらいしか書くことはないんだけど(w Walrus,Visit.DIGITAL-MONOに大体の情報はまとまっているのでそちらを見たほうがいいと思ったり(^^; 画像の圧縮の程度や大まかな仕様を書いておくことにする.まぁ,なんにせよ,今はこの状態ではないし,今後どうなるのか楽しみではある.後,最後に意味はないのだけど圧縮されたときのBNRスピードテストの結果も載せておく.

圧縮機能の概要について

画像圧縮の程度について

画像サンプル /byteAirH" トルネードwebb-mobile ウェブアクセラレータbitWarpPDAOriginal
圧縮率 最大圧縮率 大圧縮率 中圧縮率 小marionmichelleian
サンプル1282409409409322322274410410
サンプル297419052016201617051705192120172017
サンプル3122639246277755137203720148246888754
サンプル442857086172592599117259708622541725946690
サンプル547666532129541861212289542919011228976298
サンプル6566756675667566752715271527156675667
サンプル71726017260172601726012669842679541726017260

まとめ

 なんといっても月額2,000円という値段が魅力である.特に,2004年1月31日まではキャンペーンということで,通常は19,800円もかかるカード端末+契約料が4,800円となっているのも,すでにAirH"を利用している人も乗り換えるチャンスと言えるだろう.一番のネックは認証機器に対応している機種がSL-C860のみということである.So-netの話によると認証機器の対応機種自体はDDIポケットとデバイスメーカーによって交渉が行われているということだったので,早く対応機種を増やしてほしいところではある.既存のSL-Zaurus機でも使えちゃうけどね...

 後,気になるのは圧縮機能についてなんだけど,これについてはAirH"のトルネードwebもはじめは不安定だったのが,今ではかなりレスポンスも向上して,ほぼ全プロバイダで利用できるように拡張されたし,といろいろ改善されたのを考えるとそのうち最適化されて復活してほしいなと思うところですが,このままでもいいかなぁ〜なんて思ったり(w なんにせよ,AirH"や@FreeDのように月額4,000円以上はちょっと高いけど,月額2,000円だったらいいかなと思う人がいるかもしれないし,逆にこれでPDAというかSL-Zaurusなどのハンドヘルド機の需要が増えるといいなぁ〜と思うのでした.ちょっとメールしたり,ウェブ見たりくらいだったら本当に十分な性能を持っているので,家ではパソコンほどの機能はいらないというライトユーザーで,いまだハンドヘルド機を知らない人に知ってほしいところです.


(2003年12月29日)