NTTドコモのフルブラウザ搭載「FOMA N901iS」のフルブラウザについてのレポートです。2005年6月現在では、フルブラウザはパケット定額制サービス「パケ・ホーダイ」には対応していない。通信量がかなり多くなるので、パケット割引サービス「パケット・パック」を利用したほうがいいだろう。私の場合には、N901iSを購入時にも店員さんにパケット・パックの導入を勧められた。自分で利用時に契約変更するといってその場はパケット・パックを追加しなかったが、販売側でも十分パケ代が高くなり、いわゆる“パケ死”する可能性が高いことを認識しているようだ。au by KDDIでは、フルブラウザ「PCサイトビューアー(PCSV)」が定額制の対象となったため、今後、ドコモでも対応してくれることを期待している。
それでは、N901iSに搭載されたフルブラザについて見ていこう。N901iSに搭載されたフルブラウザは、iモードブラウザを開発しているACCESS社の「NetFront」のフルブラウザ版を採用した。はじめてフルブラウザに対応したウィルコムの京ぽんこと「AH-K3001V」やauのPCSVがOperaを採用していたのとは異なる。ACCESSのフルブラウザ版「NetFront」は、シャープ「Zaurusシリーズ」にプリインストールされてきた実績があり、PocketPC向けとしてもダウンロード販売されているなど多くのOSに対応している。大きな特徴としては、ウィンドウを5つまで表示できるタブブラウザであることやiモードのいち機能として動作するためiモードブラウザやPDF対応ビューアとの連携ができるあたりだろう。ページあたり300KBまで表示でき、ファイルアップロードも80KBまでは利用できるようだ。また、ページの表示をケータイのような狭い画面にフィッティングさせる「Smart Frame Operation」機能も搭載されている。CookieやReferer、スタイルシート、JavaScriptなどに対応しており、まさにフルブラウザといったところだ。
- ACCESSの「フルブラウザ版 NetFront(R)」がiモード(R)端末に初搭載(ACCESS)
- “疑似タブブラウザ”が便利──「N901iS」のフルブラウザを試す(ITmedia)
- ケータイでインターネットをもっと便利にするN901iS(ITmedia)
ただし、個人的に気になったのは、着信メロディ、iアプリ、iモーション、FLASH、PDFなどのコンテンツだけでなく、ウェブページ(HTML)や画像すらダウンロードして保存することができないという点だ。また、キーボードショートカットがない点、表示サイズが自由に変えられない点、Operaのようにブックマークレットなどに対応していない点、ローカルファイルを閲覧できない点などがマイナス面だろう。W21CAのPSCVやZaurusのNetFrontのように自動でウェブページを取得する機能などあったら便利かもしれない。まぁ、通常のブログなどのページを見て回る分には十分な機能だと言えるだろうが、今後搭載される機種が増えてくるのであれば、それらがより使いやすいものになっていくことを期待している。とはいえ、基本的に、大抵のコンテンツはiモード対応していたりするので、どこまでフルブラウザが価値があるのかは微妙ではある。今回のN901iSのフルブラウザについては、あくまでiモードブラウザで見ていてちょっとパソコンの表示レイアウトのまま見たいなと思うときに補助的に使うようなケースを想定して開発された印象を受けた。もう少し、iモードなどとの連携をそのままに、単体での利用を想定したものにしてくれてもいいかなとは思った。ちなみに、UserAgentは、「Mozilla/4.08 (N901iS;FOMA;c300;TB;W24H12)」となっており、NetFrontの文字は見当たらない。
フルブラウザを起動しているときのメニューを表示したところ。文字コードは、Shift-JIS、EUC-JP、JIS、UTF-8に対応しているが、大抵は自動認識する。 | 環境変数を表示したところ。UserAgentは、Mozilla互換のものとなっているが、NetFrontの文字は見えず、任意のものには変更できない。 | 当サイト「memn0ck.com」のトップページを表示したところ。スタイルシートで色づけしているが、きちんと対応しているのがわかる。 | なんとなく「ASCII24」を表示したところ。表示モートは、折り返しのない“通常”モードにしている。 |
こちらは同じASCII24の“等倍”モードにしているところ。ニューロポインターで自由に移動することができる。表示モードの切り替えはやや表示が乱れ、スムーズとは言えない。また、表示サイズは変更できないのは残念だ。 | N901iSでiアプリ版ブラウザ「jigブラウザ」でASCII24を表示したところ。現状ではjigだとパケ・ホーダイの対象なので安心して利用できるし、機能的にもそれほど劣っているとは言えない。縮小表示なども便利だ。 | 「W21CA」のPCサイトビューアでASCII24を表示したところ。表示エリアが圧倒的に広いことがよくわかる。さらに表示サイズも変更できるため視認性はよい。写真は「味ぽん倶楽部」のたんぱくんに協力してもらった。感謝。 | 京ぽん「AH-K3001V」のOperaでASCII24を表示したところ。N901iSやW21CAに比べると表示エリアは狭いが表示サイズが変えられ、ページの最初および最後にジャンプできるため比較的閲覧しやすいと思われる。 |
ウィンドウ(タブ)をメニューから切り替えるところ。タブの切替は左上のハードキーでもできるため非常に快適だ。また、タブの切替による表示は高速だ。 | フレームにも対応している。こちらは「memn0ck.com – pc」を表示モード“等倍”で表示したところ。 | 同じ「memn0ck.com – pc」を表示モード“通常”で表示したところ。各フレームをクリックするだけで、そのフレームだけを表示することができる。 | アップローダでファイルをアップロードするところ。アップロードできるファイルのサイズは80KBまでとなっている。 |
URL入力からページを開こうとすると常に“指定サイトを表示できない場合があります”という注意が出る。表示できなかった場合に注意が出る仕組みでいいと思うのだが、なぜ先に出すかな。 | JavaScriptにも対応しているため「Google Adsense」も表示可能だ。定額制で利用できないので相当な広告でないと見ようとは思わないが(笑)。 | 京ぽん向けJavaScriptゲームなどを配布している「京ぽんG」における“シャンハイ!”を試そうとしたところできなかった。JavaScriptの対応仕様はOperaとはそれなりに違うようだ。 | こちらの京ぽん向けゲーム「Tetris」はうまく動作した。ゲームなどはiアプリで行ったほうが無難だろうが、一応動作するものもあるということで。 |
「NTTドコモ」のトップページを表示したところ。FLASHなどの対応していないところは白抜きで表示されている。iモード向けFLASHは表示できるか試さなかったな。そのうち追試しようと思う。 | 人気のSNSサービス「ミクシィ(mixi)」の通常版を利用しているところ。「公式mixiモバイル」で対応していない機能などを使いたいときには重宝しそうだ。 | MSNのメールサービス「Hotmail」を利用しているところ。なかなか難易度が高いサービスだが、きちんとメールを閲覧でき、送信もできることを確認した。 | Googleのウェブギガメールサービス「GMail」を利用しているところ。かなりいろいろ転送されるのか、TLS/SSL通信のアラートが何度も何度も表示されて、あまり使いたいとは思わない。 |
携帯電話のフルブラウザ
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