jig、SiteSneaker、ibisとケータイアプリブラウザが続々とタブブラウザ化


この夏、アプリ版のケータイフルブラウザ業界が大きく動いており、生き残りをかけて第2期へと移行していきそうな様相を見せている。2005年8月8日(月)にこれまでβ版を提供していた、ユビキタスエンターテインメント(UE)の「サイトスニーカー(SiteSneaker)」が公約通り8月8日午後8時8分より“タブブラウザ”に対応した正式版をリリースすると発表したすぐ後に、アプリ版ケータイフルブラウザの先駆者jig.jpが「jigブラウザ」の最新版5.0.0をリリースし、同じく“タブブラウザ”に対応した。その次の日の9日(火)には、1000ダウンロードという限定公開ながらアイビスが「ibisBrowserDX」をβ版としてリリースしてきた。プログラマーズファクトリの「Scope(Mars)」が情報漏洩疑惑でもたついている中、ibisBrowserは無料版から有料版への移行となるなど、生き残りをかけて各社機能アップを図っているようだ。そんな「タブブラウザ化」した3つのアプリについて簡単にレビューしながら比較してみた。

さすがの有料版、多機能かつ安定している「jigブラウザ」

はじめは「jigブラウザ」だが、タブ機能が使えるのはFOMA 900i/901iシリーズおよびau Java Phase3に対応した“100kバイトアプリ版”のみとなる。タブは、左上にあるハードキーによるメニュー(MENU)を開くと、一番左に「TASK」という項目が現れ、それを表示するとタブ一覧が現れるという形となっている。「タブ=タスク」というところだ。ここから新しいタブを作ってからページを開くこともできるが、すでに開いているページ中のリンクを右上ハードキーによる操作から「新タスクで開く」で新しいタブで開くことができる。タブのページ数の上限はなく、各ケータイ端末のメモリが許す限り開けるようだ。すでに対応していたPCメール(POPメール)もひとつのタブとして見ることもできるし、将来的にはこのタブの一部としてPIM機能なども盛り込んでいきたいということであるので、楽しみだ。そういうこともあり、敢えて“タブ”という言葉を使わずに“タスク”という表現になったとも思われる。

なんといっても有料アプリであるということもあり、中継サーバーも余裕があるのかサクサク表示できるのはとても快適に閲覧できるのは嬉しい。操作性も戻るやタブ切替が一度メニューを開いてからの多段階操作となるが、慣れればそれほど違和感もなく、スムーズに操作できるため、快適だ。簡易的なRSSリーダやお気に入りをパソコンで整理できる機能、画像も表示/非表示だけでなく圧縮して表示といった3種類から選択でき、パケットコースを設定しておけばきちんと各表示ページごとのパケット数および総パケット数とそれらのパケット代金が表示されるなど多機能でよくできていると言えるだろう。個人的には、フルブラウザ「NetFront」対応の「N901iS」を持ち歩いているが、NetFrontではなくjigブラウザを使っている。もちろん、jigブラウザをすでに「SH900i」を利用中に購入していたこと、NetFrontを用いたフルブラウザはパケット定額制「パケ・ホーダイ」に対応していないことなどが大きな理由だが、それらをなしにしても安定性、快適性などでjigブラウザのほうが優れいてることが多い。

[IMG] FOMA N901iS

広告収入で無料版としてがんばる「サイトスニーカー」

タブへの対応を発表したアプリ版ブラウザとしては初となったが、実際にダウンロードして利用できるようになったのは、jigブラウザに先を越された「サイトスニーカー」だが、やはり大きな利点は“無料”であることだろう。タブは、3ページまで表示でき、画面中にそれぞれ「*」「0」「#」のマークのついたタブが表示されている。これらのマークはそのまま数字(ハード)キーの各ボタンに対応しており、一発で各タブの表示切替ができる。残念ながらページ中のリンクを新しいタブで開くことはできないため、各タブを表示させてからお気に入りなどから表示させたいページを開くという形となる。

無料アプリであるがゆえに中継サーバーを潤沢に用意できていないのか、はたまたユーザー数が非常に多くて増設してもしたりないのかわからないが、表示させるのが非常に辛いくらい重いのが現状となっている。日中では通信障害というようなエラーがでることもよくあり、早朝などでようやく使ってもいいかな程度の表示速度となっているところは残念なところだ。この状態であれば、お金を払ってでもjigブラウザに乗り換えるか、iモードで我慢するかという思いだ。また、メニューも表示はスムーズだが、各項目の移動がやや引っ掛かりを感じるような気がしたり、メニューの最上段から最下段へ、もしくはその逆への移動ができない点なども改良を加えて欲しいところだ。また、下で機能比較表としてまとめているが、機能的にやや劣っているところは否めない。画像も圧縮転送などはしているかもしれないが、表示のみで選択はできない。ちなみに、正式版での新機能として実装された「QRコード表示」はなかなか面白いかもしれないが、あまり利用シーンを思いつかなかったり(^^; まぁ、横にいる友達とかに見てるページを教えてあげるときなどに使うんだろうが、、、

[IMG] FOMA N901iS

有料版への移行を決意した「ibisBrowserDX」

限定ダウンロードという形でリリースされている「ibisBrowserDX」だが、現状、無料版となる「ibisBrowser」と中継サーバーが同じとなっているわりには表示はスムーズと言えるだろう。タブ機能については、jigブラウザに近く、右上ハードキーによるメニューから「タブ切替」を選ぶほか、数字キーの「8」にもこの「タブ切替」が割り当てられているため簡単に切替メニューを開くことができる。また、ページ中のリンクを新しいタブとして開くこともメニューから「新規タブで開く」として行うことができる。タブも15ページまで開くことができるようなのでケータイブラウザとしては十分だろう。ただ、普通にお気に入りから開いても新しいタブが開かれているなどややどういう状況で新しいタブとなるのか疑問なところもあった。まぁ、タブの削除も簡単にできるので、通常はどんどん新しいタブを開いていけば問題はないのだろう。

問題はこれからβ版から正式版がリリースされる際にどれくらいの料金および料金体系で、どの程度の機能が実装されるかというところかもしれない。すでに有料版として多機能な「jigブラウザ」が存在するだけに、当然それをターゲットとして料金、機能のバランスを取ってくるとは思われるが、なかなか難しそうなところだろう。機能としては、ファイルアップロードやCSS(スタイルシート)、RSSなどにも対応予定となっているだけに、それなりに多機能なものになりそうなので、注目していきたい。また、連日「ibisBrowser開発日記」にてバグ取りが中心だが開発日記が書かれているので、思わず応援したくなるというところもある。個人的には、jigブラウザがメールやPIM機能などより総合的なアプリをめざしているようなので、ibisBrowserには純粋にウェブブラウザとしての機能を高めてくれると嬉しいかなとも思う。スタイルシートやJavaScript、さらにはFLASHなどの表示まで対応できるとすばらしいかもしれない。

[IMG] FOMA N901iS

簡単機能対応比較表

ブラウザ名 jigブラウザ サイトスニーカー ibisBrowserDX
料金体系 有料(月1,050円/年6,000円) 無料 有料(現在はβ版のため限定ダウンロードだが無料で利用可能)
対応機種 mova 505i/506iシリーズ
FOMA 700i/900i/901iシリーズ
EZアプリ Java Phase3対応機種
mova 505i/506iシリーズ
FOMA 700i/900i/901i/2102シリーズ
FOMA 900i/901iシリーズ
バージョン 5.0.4 1.0.0 0.9.20
UserAgent Mozilla/4.0 (jig browser 5.0.0; N901iS) Mozilla/4.0 (compatible; ibisBrowser)
mailto: ×
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フレーム △(フレーム内の各ページのリンクが表示される)
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タブブラウザ ○(メモリが許す限り)
※ ただし、FOMA 900i/901iシリーズおよびau Java Phase3対応の100Kバイト版のみで利用可能
○(3ページまで) ○(15ページまで)
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3 thoughts on “jig、SiteSneaker、ibisとケータイアプリブラウザが続々とタブブラウザ化”

  1. こんにちは。フルブラウザの紹介がわかりやすく比較してあり、とても参項になりました。トラックバックさせていただきます。お願いします。

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