PHS MoU Group Newsletter Issue No.57 ~ 英業達インタビューなど


PHS(Personal Handyphone System)の規格化や世界的な普及促進活動を行っている団体「PHS MoU Group」のニュースレター 第57号が公開されています。このニュースレターでは、PHS MoU Groupのウェブサイトがリニューアルされたこと、2005年6月における世界のPHS市場の現状報告、CSCや英業達へのインタビュー、最適化作業班発足、WILLCOM Core Module戦略についての概要、編集者のメモなどとなっています。

特に面白そうなことが書いてあるわけではないようなので、軽く流し読みをして紹介したいと思います。まずは、中国でのPHS市場の動向についてですが、2005年3月には324万、4月には247万の純増数があり、2005年4月末で7530万契約に達しています。年末から年始にかけてやや増加が鈍っていましたが、やや回復したという印象です。5月にはSIM/USIM機能を搭載した“PIMカード”が導入されており、市場の活性化も期待されています。PIMカード対応の端末は、5月16日導入開始時点で、10機種が発売され、メーカーはUTStarcom、Huawei、ZTE、Lucent、Inventec Applicances Co.(IAC)、およびCoriseといったところが開発しており、すでに19機種が発売されているそうです。シェアは、2005年3月末時点で、中国電信が65.7%、中国網通が34.3%となっています。2004年12月末からは中国電信がややシェアを伸ばしたようです。さらに、3GサービスとなるTD-SCDMAの導入が遅れるような情報があることも、PHS市場へ追い風となっているとのことです。まだ、もう少し契約数は伸びそうです。

[IMG] 中国PHS市場契約数変化

次に、CSCやらWILLCOM SIM Moduleは飛ばして、英業達(Inventec)の記事に行くと、1993年10月に設立され、2004年3月からPHS事業を立ち上げたなどといった説明がされており、中国、台湾、タイ、その他の国において15キャリア以上、800万の端末を供給するメーカーであるとしています。そして、中国においては、ZTE、UTStarcomとともにトップ3のPHS端末供給メーカーであるようです。なんだか中国では3Gの免許がまだないのに取れたとかと言ったり、やや怪しい感じもしなくもないですが、伸びている会社という印象でしょうかね。PIMカードに対応した、OK728Bなどを供給しています。

OK728B Spec Sheet
型番 OK728B
メーカー 英業達(Inventec)
通信規格 小霊通(PHS)
サイズ 84.6×44.1×22.2mm
質量 74g
連続通話時間 420分(7時間)
連続待受時間 150~300時間
バッテリ 500mA/3.7V
音源 40和音
メインディスプレイ 128×128dot
サブディスプレイ 96×64dot
ライト 7色LED
データ通信 32kbps PIAFS
[IMG] OK728B [IMG] OK728B 画面 サンプル
OK728B OK728B 画面 サンプル

次に、最適化作業班(Optimization Working Group)を発足させたことについてですが、中国ではすでに7800万の契約者を超えたPHS市場ですが、徐々に日本においてのような「安く性能が低いもの」というイメージがついて来ているようで、中国においてのイメージを確立したり、中国の人に提案したりするために設立されたようです。そのため、他の作業班とは違い、ネットワークの最適化を目的として、一時的に設立されたものとの位置付けのようですね。議長には、三洋電機の吉田氏が指名されています。中国でも、3G導入後もPHSが共存できるようにうまくやってくれればなと思います。

最後に、編集者による一言として、世界的な温暖化現象への対策の一環として、日本の“クールビズ”キャンペーンを紹介しながら、大きな消費電力を必要とする「3GやCDMAのような携帯電話」からより消費電力の小さい「PHS」に取り替えるよう勧めたいと締められています。実際、先進国といわれるような地域から徐々にではあるもののエコやクリーンといったものに技術的トレンドが移ってきていますし、台湾などではとても強くより人体への影響が少なく、環境によいとして「PHS」を売り込んでいるわけで、今後こういった効果によりPHSというサービスが広がっていく可能性はあるわけです。ただ、私は全体としてPHSがよりエコなのかどうかは試算したこともないし、そういった資料を見たことがないので知りません。もちろん、個々の端末や基地局が小消費電力なのは知っていますが、総量となると数に依存しますしね。とはいえ、同一利用時間当たりの人体への影響は明らかに小さいでしょうから、日本でももっと強くエコやクリーンといった面を売り出していってもいいかなと思っています。


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