ケータイにフルブラウザという波が押し寄せてきているが、私は本来ならできるだけ不必要な情報はいらないという思想を持っている。なので、自分が求める情報量として十分であれば、iモードサイトのほうが快適に表示でき好ましい。これはなにもケータイだけの話ではなく、モバイルにおいては通信速度が遅く、最近ではパケット定額制もあるが元々は従量制であったため通信データ量も抑えようという意識があったため、モバイル環境ではいまでも基本的にはテキストベースでウェブを見ていたりしている。例えば、SL-Zaurusならメインブラウザはw3mだし、PocketPCを使っていたときはQ.Browerなんかを使っていることが多かった。jigブラウザやサイトスニーカー、ibisBrowserDXとアプリ版のブラウザがタブ機能をつけて喜んでいるが、実際にはjigブラウザで画像なしで巡回している。さて、そんな中で、テキストブラウズを目的にしたアプリブラウザ「EmptyBrowser」が公開されていたので紹介しよう。
今回用いたのは8月20日時点で最新バージョンとなる0.1.3である。まだ公開されて間もないこともあり、連日のようにバージョンアップが繰り返されているため、更新履歴や管理人雑記は必読だろう。また、個人で作成しているアプリなので、将来的に中継サーバーに不安があり、作者自身もサーバー負荷が高くなりすぎたら公開中止にするということも語っている。この辺りは残念なところ。iアプリの仕様上仕方がないことだとはいえ、中継サーバーが必要なのは、データを圧縮して転送できるなどの利点もあるが、個人プログラマーが簡単にこういったアプリを作成・配布できないあたりはユーザーとしては悲しい状況と言えるだろう。
操作は上下キーでスクロール、左右キーでページの戻る・進むができ、各数字キーに以下のような機能が割り当てられている。その他は、右上ハードキーからメニューを呼び出し、ブックマーク一覧、ブックマーク登録、URL入力、URL表示、や再読み込み、Yahoo!検索、ページ内容のコピー、履歴削除、iモードで表示などといった機能が備わっている。スクロールはリンクがある部分では、リンクを辿っていきながらスクロールする、いわゆるiモードなどと同じとなっており、表示も横スクロールのない“ケータイ表示モード”というところとなっている。N901iSで利用してみたが、ニューロポインターには対応していない。ただし、スクロール自体はかなり高速に動作するため、それほど気にはならないだろう。User-Agentは、lwp-trivial/1.38と表示された。
1 文字サイズ小 |
2 画面最上部へ |
3 背景を白に |
4 文字サイズ大 |
5 画面最下部へ |
6 背景を黒に |
テキストしか表示できないのならiモードでいいじゃないかと思う人もいるかもしれないが、本文の内容がコピーできるなど独自の機能もあり、なにより今後作者さんの開発意欲によってはどんな機能がつくかわからない魅力もある。ただ、今のところ比較的快適に閲覧できているが、サーバー負荷が増えてくると辛そうではある。この辺りは、中継サーバー側のアプリケーションも公開などして、個人サーバーなどで設置できるようにしてくれるとマニアとしては面白そうではある。パソコンでは、複数のウェブブラウザを使い分けている人も多くなっているというニュースもたまに見るが、ケータイでもそういう時代が来るかもしれない。
memn0ck.comを表示したところ。ニューロポインターには対応していないが、上下スクロールはリンクをかなり高速に選択しながらスクロールしていく。 | EmptyBrowserのメニュー1ページ目。右上ハードキーで呼び出せる。残念ながら、最上項目から最下項目、もしくはその逆への移動はできない。 | EmptyBrowserのメニュー2ページ目。本文コピーや見ているページをiモードで表示する機能などが見える。 | 本文コピーを行っているところ。部分コピーというメニューもあり、こちらはページ中の画面に表示している部分のみから選択できる。 |
Bookmark一覧を表示したところ。タイトルとアドレスが登録順に羅列されている。ホームページなどもカスタマイズできると嬉しいところだ。 | テキストブラウザなので色表示などのタグは一切無視されるため、通常は白背景に黒文字、青リンクだが、反転して黒背景、白文字にもできる。 | 文字大で表示したところ。これは機種の問題かもしれないが、大きな文字の時に線が細いのは残念だ。 |