ウィルコムが「公開情報」にて先日の2.5GHz帯BWAシステムにおける周波数割り当てに対する公開カンファレンスにて示した「次世代PHS」の事業展開の詳細資料を公開しています。また,「IR情報」では2007年11月26日(月)に開催された2008年3月期中間決算説明会の資料が公開されています。
次世代PHS
特にBWAシステム公開カンファレンス時には取り上げなかったので「次世代PHS」の事業計画で気になって点をピックアップ。過去にわかっているものもいくつか重複してるけど,やはり基地局設置場所があることが大きな優位点でしょうねぇ。それにより,エリア計画も細かく計算できているわけでしょうし,そのあたりが現在優位と見られているようですから。
- 次世代PHS対応「W-SIM」「データカード」「スマートフォン」「防水電子ブック」
- 次世代PHSは2009年10月商用サービス開始
- 2009年4月からエリア限定の試験サービス開始
- エリア展開は2011年度末56.6%/2012年度末90.6%/2013年度末93.6%
- すでに現行PHSによる基地局設置場所があるため急速なエリア展開に自信
- 過去には1年間で最大4万局を設置した経験がある(1997年度)/12800局(2006年度)
- 次世代PHS加入者数見積は2015年度末で約390万(現行PHSとのデュアルも含めて)
- 次世代PHSの想定ARPUは4000円以下
- 設備投資額は2013年度末までに累計約1,400万/2015年度末までに累計2,000万
- BWAシステムでは数十Mbpsとなるため月間10GBレベルの転送量に耐えうるシステムが必要
- 20MHz幅でも30MHz幅でも対応可能
- 2008年1月~バックボーンを光IP化
- 2009年4月~シングル次世代PHS基地局を現行PHS基地局と同じ場所に設置
- 2012年4月~現行&次世代PHSデュアル基地局に置き換え
- シングル時でもバックボーンやアンテナは共用
- 全トラフィックのうち都市部(面積比37%)で全体の80%のトラフィックがある
2008年3月期中間決算説明会
中間決算資料では,やはり解約率が上昇しており,ARPUがかなり落ちてきているのに目がいきますかね。解約率はこれでまだ純増していた上半期前半を含むので,下半期・通期ではどうなることやら。また,各種報道もされているとおり中国網通ではパケット通信だけでなく,タイと同じように次世代PHSの検討についての内容も契約終結に含まれているようですね。一応,次世代PHSにはUTStarcomは入ってくれているようなのでそのあたりに期待でしょうかね。
- 2007年度前半(上半期)は加入者数11.8万(2.6%)増の465万契約
- 営業収益は前年同期比で48億(3.9%)円増の1,279億円
- 営業利益は前年同期比で24億円増の8億円
- ARPUは前年同期比で280円減の3,760円
- 解約率は前年同期比で0.4%増の2.8%
- 契約の個人:法人比は前年同期比で個人が1%増の55:45
- 中国網通が次世代PHSの共同検討についてウィルコムに打診している
そろそろドコモPHSの乗り換えが佳境に入るでしょうから、移行優遇策を徹底して、手っ取り早く加入増希望。
多少は勢いを演出しないと。
で、ドコモPHSへの定額プランの負担(どんだけあるやら?)が無くなったら多少は一般に還元されるかな?と期待。
次世代は周波数が取れさえすれば、おそらく速度が上がって値段変わらず、位なるでしょうから、黙って期待。
×絶えうる○耐えうる
個人的に気になるのは
> 次世代PHSの想定ARPUは4000円以下
です。デフレはまだ数年続くという見込みなんでしょうか。低価格路線が続くと小さな事業者はちょっと厳しいのでは…。
当面はデュアル端末で、音声は現行PHS、データは次世代PHSという住み分けをするんでしょうか。それで次世代PHSの平均的なデータプランが\4k、なら話が判ります。